陶山書院(トサンソウォン) @安東市ユネスコ世界遺産(文化遺産)

kimeider

2023年11月22日 06:05

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陶山書院(トサンソウォン)[ユネスコ世界遺産(文化遺産)]
学徳を備えた人に対する敬称を韓国語でソンビと言いますが、多くのソンビを輩出し、たくさんの書院が建立されたのが安東の地です。
「陶山書院」を開いた李滉(1501-1570)も安東の出身。
科挙試験に合格した後は丹陽郡守、豊基郡守などを歴任し、成均館(現在の成均館大学)の最高職位である大司成(正三品の官職)も務めました。
1560年に安東に隠棲した際に「陶山書院」を開き、儒学の研究および後進の育成に力を注いだといわれています。


書院(ソウォン)というのは今でいう大学のようなところ。
朝鮮時代の中期に設立された両班(ヤンバン、朝鮮時代の貴族階級)の子弟が主に儒学を学んだ私設の教育機関で、科挙試験(官吏の採用試験)の合格率が高い書院には多くの人が集まったと伝えられます。


進道門(チンドムン)
この門よりも手前が書堂区域(李滉の生前)、奥が後に建てられた書院区域(李滉の没後)に分けられています。


陶山書堂(トサンソダン)
李滉が直接弟子を指導した所で、本人の設計によるとされています。
3間の建物であり、台所、オンドル部屋、板の間で構成されています。


典教堂(チョンギョダン) ※宝物第210号
「陶山書院」の中心になる建物。講義が行われた大講堂で1574年に建てられました。
向かって左側がオンドル部屋で院長の居室となっています。
扁額は王・宣祖(ソンジョ、1552~1608) より下賜されたもので当時の名筆・韓石峰(ハンソッポン)の自筆です。


緑に包まれ、穏やかな「洛東江」の流れを臨む静かな風景の中にも、学びの場にふさわしい厳かな空気が流れているようです。
周囲の自然と調和して、四季折々に美しい姿を見せる「陶山書院」。


記念撮影


洛東江ダム湖


試士壇(シサダン)
1792年に李滉の学徳を称え、地方の儒学者の士気を高めるために、王命により特別試験が行われました。受験者は7,200名にも上りましたが、合格者は11名。
王・正祖(チョンジョ、1752-1800、「水原華城」の建設を命じた王)が直々に選抜を行ったとされています。試士壇はその試験会場であり、後にその試験を記念して建てられたもの。「陶山書院」の入口「洛東江」をはさんで正面に位置しています。

旧1,000ウォン札の図柄にもなった安東の名門書院

退渓 李滉(テゲ イファン)(1,000ウォン札)



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